-「感情カード」の紹介-
こんにちは。短期インターン生の郡山結人です。
日本には毎年多くの学生が海外から日本の学校にやってきます。
外国から転校してくる生徒たちの多くは、
そんな彼ら/彼女らを支えるツールを作りたいという思いから、
今回はこちらのカードについて紹介したいと思います。
感情カード
『感情カード』は、日本に来たばかりで日本語でのコミュニケーションがまだ難しい小学生、中学生、高校生などが、学校で先生や他の生徒に対して感情を伝え、最低限のコミュニケーションをできるようにすることを目的に作成したツールです。
カードにはそれぞれの感情が日本語、英語、中国語、ベトナム語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ミャンマー語の文字と顔文字で書かれているため、日本語が分からなくても、様々な国の方が使えるようになっています。
海外から日本に来たばかりの子は、全く新しい環境や、友達や知っている人が全くいない世界に大きな不安を感じるだけではなく、言語が分からないことによってうまく気持ちが伝えられず、本来なら避けられるはずの不必要な誤解や衝突が生じてしまったり、ふさぎこんでしまったり、時に感情が爆発して手が出てしまうこともあります。
そのようなことを防ぎ、日本語が分からなくても少しでもコミュニケーションができるようにし、生徒の不安を軽くしたいという思いで、このツールを作成しました。
『感情カード』は、外国から転校してきた小学生や中学生を中心にした日本語の取り出し教育を札幌で長年行ってきた市民団体、札幌子ども日本語クラブ様が作成された、『外国人児童・生徒のためのサバイバルカード』にインスピレーションを受け、また日本語教育や多文化共生推進の活動を行う、北海道大学の式部絢子先生の助言を元に作成しました。
サバイバルカード
『サバイバルカード』は「日本語を解さない来日したばかりの外国人児童・生徒が学校内で最低限の意思表示ができるように、現場の先生の声をもとに」作成されました。(札幌子ども日本語クラブのホームページから引用)
来日したばかりの子どもが、まったく理解できない 「日本語」の世界で学校生活を送らなければならない、意志疎通の極めて難しい始めの数日間の一番不安な時期に、少しでも子どもたちの不安を軽減したいとの思いで作成されたようです。
その中には「体の具合が悪いです」や「頭が痛いです」、「お母さん(お父さん)に電話したいです」など、うまく伝えられないことによって問題が生じるものや、伝えられることによって生活がぐっと楽になるような内容が含まれています。
このようなツールの存在を少しでも多くの方に知ってもらうべく、当NPOのホームページにも『感情カード』と共に掲載させていただき、全国の外国人の受け入れを行っている組織にも『感情カード』と合わせて紹介させて頂きます。
このブログを読んでいただいた方も、是非感情カードとサバイバルカードに目を通して頂き、外国から来た生徒が何を必要としているのか一緒に考え、そしてより多くの人にこのようなツールの存在を知らせてください。
これらのツールが少しでも多くの方に知ってもらえて、少しでも多くの生徒を支えることになればと思っています。
私たちにできること
しかし、海外から来た子どもたちが日本の学校で快適に生活するためには、このようなツールだけではとても足りません。
一番大切なのは、やはり親身になってくれる友人や先生などの存在だと思います。言葉が通じても通じなくても、自分のことを気にかけてくれる、自分のことを理解しようとしてくれる、そんな存在が1人や2人いるだけで、気持ちがずっと楽になるはずです。
また、今日本で求められているのは、学校や先生、日本社会全体、そして個々人の異なる文化や背景を持つ人々への理解や尊重、寛容です。そして、違いを「悪」として捉え、日本の文化や習慣を押し付けるのではなく、むしろ違うことそれ自体に価値を見出し、異なる文化や多様な価値観から共に学び合う姿勢なのではないでしょうか。
昨今、「多様性」や「多文化共生」と言った言葉がよく使われます。しかし、これらの概念はなぜ価値を持つのでしょうか?なぜ多様性を尊重し、多文化共生を目指すことが良いこととされているのでしょうか?
何となく響きの良い言葉として使っている人も多いのでは無いでしょうか?しかし、本当の多様性の尊重や多文化共生は、これらの言葉の意味を問い直し、より深く考えることから始まると思います。
リンクトゥミャンマーが提供できる価値
リンクトゥミャンマーではそのようなことをより深く考えるきっかけとなるイベントを多く開催しています。また、当NPOでインターンとして働けば、普段の生活ではなかなか触れることが出来ない世界を知り、多様性や多文化共生について理解や考えが深まるはずです。(もちろん多様性や多文化共生を考える機会は身近な生活の中にも溢れていますが。)
リンクトゥミャンマーに参加するインターン生は必ずしもこのような分野で経験がある訳ではありません。むしろ大半の人にとってほとんどが初めての仕事だと思います。
そんな新しい環境で新しい仕事を行い、誰かのためにがんばりたいという仲間をリンクトゥミャンマーは探しています。現在も大学1年生から博士課程の学生まで、何人ものインターン生が働いています。
少しでも興味を持って頂けた方は、是非お気軽にお問い合わせください。