在日ミャンマー人への日本語オンラインレッスンやっています!

こんにちは。

 

NPOリンクトゥミャンマーで理事長をしております深山といいます。

 

このブログでは、現在毎週1回のペースで続けている在日ミャンマー人向け日本語オンラインレッスンについてご紹介します。

 

当会では、在日ミャンマー人のニーズに合わせた支援を継続してきましたが、2020年夏から日本語オンラインレッスンをスタートしました。

 

その背景には、新型コロナウイルスの影響で外出がままならない状況がありました。

 

現在の日本語オンラインレッスンの生徒さんは、2020年1月に来日した20代のミャンマー人女性で、ホテルで勤務していました。

 

しかし来日後すぐに、外国人の日本への入国が制限され、ホテルでの仕事は激減しました。そして数か月後に、事実上雇止めとなり、稼ぐ術を失います。

 

雇用後からすぐに、当会に連絡があり、契約時と実際の労働時間に相違があること、給与明細を会社からもらえないこと、雇止めの際に「自己都合退職」を認めた退職届に署名しなければならないことなど、さまざまな相談を受けました。一つ一つの相談に対して、通訳を介して対応策を考え、伝えてきました。会社との労使間の話し合いも、当会を通じて行うことがありました。

 

雇止め後は、私と通訳とご本人の3人で、東京の労働基準監督署に行き、給与未払い分の請求手続きなどを行いました。

 

2020年夏ごろに、再就職先を探さねばならなくなりましたが、来日間もない彼女は、留学生と違って、日本語が流暢ではありません。そこで就職先の選択肢を広げるため、日本語レッスンを実施することにしました。

 

新型コロナウイルス拡大前までは、各地の国際交流協会などに登録されている日本語教師のボランティアの方々に、日本語レッスンをお願いしていました。しかし、オンラインで仕事の合間にレッスンをするとなると、なかなかボランティアの方と彼女の都合を合わせるのが難しく、かつ、失業中で日本語レッスンに通う交通費も節約しなければならない状況でした。

 

 

そこで、この頃当会でインターンをしていた伊藤さんが、日本語教師の資格を有していたこともあり、試しにオンラインで日本語を教えてもらいました。

 

その後、2020年秋に、彼女は再就職先が決まって、東京から別の地に引っ越しました。

引き続き、毎週日曜日の彼女の休日に、日本語オンラインレッスンを私が行っていましたが、他の定住支援などの業務もあるため、日本語教師ボランティアの方々を募ることにしました。

 

ボランティアの教師がいない間は、当会の事務局スタッフやインターン生が、交代で日本語を教えました。

 

そして現在、3人の日本語教師ボランティアの方々が、交代で毎週オンラインで日本語を教えています。ボランティアでご尽力くださる皆様に、深く感謝を申し上げます。

 

就労ビザで来日している彼女は転職したので、ビザ更新の際に、再度入管の審査があります。その時までには日本語能力を上達させたい……そんな思いで、8か月間、レッスンを続けました。

 

2021年3月に、ビザ更新申請も無事に終わり、ほっとしているところですが、彼女の日本語レッスンはまだ続きます。新型コロナウイルスの影響で経済が疲弊している日本社会では、いつ、だれが仕事を失うか分かりません。外国人は、一度仕事を失うと、新しい仕事に就くまでに時間がかかる場合があります。

 

万が一転職となっても、スムーズに別の仕事が見つかるよう、日本語能力を高めておく必要があるのです。

 

この日本語オンラインレッスンに、なんとか財源を作り出したいと考えている昨今です。

 

何かお知恵がございましたら、info@npoltm.org までご連絡ください。


今、多くの日本人から「ミャンマーを助けたい」という声をいただいています。


この日本語レッスンを受け続けているミャンマー人女性は、ミャンマー西部ラカイン州の、ゼンシャウンという本当に本当に辺鄙な場所の出身です。


彼女が日本で働き続けられる状態を作り出すことで、ミャンマーの一つの家族を経済的に救っています。ミャンマーで長く虐げられてきた、少数民族の一家族を助けています。


ミャンマーに必要なのは、言わずもがな、経済発展です。「ミャンマー人一人が日本で働き続けることで、10年後には、彼らの周辺にいる50人のミャンマー人を経済的に発展させることができる」というのが、私が長く在日ミャンマー人を見てきた実感です。npoを立ち上げたときも、この実感を多くの場所で作り出すために法人化したい、という思いがありました。


日本語レッスンも、食糧支援も、当会のミャンマー人向け定住支援は、在日ミャンマー人が長く日本で働ける場所を提供するためです。それは、彼らミャンマー人が最も望んでいる、ミャンマー人の持続可能な経済的発展につながっています。

 

引き続きNPOリンクトゥミャンマーを、どうぞよろしくお願いいたします。

 

(2021年4月1日 みやま さえこ)

     す

彼女と私(深山)。2021年2月撮影