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NPOリンクトゥミャンマーでインターンをしている井上です。
2021年3月3日に在日ミャンマー人宅へ、スタディーツアーとして伺いました。スタディーツアーでは、ご支援いただいた食料をお渡しし、お宅の在日ミャンマー人のお二人からたくさんのお話しを聞きました。
私は、リンクトゥミャンマーの事務所でしかミャンマーの方にしかお会いしたことがありませんでした。なので、今回のスタディーツアーで日本に住むミャンマーの方
お宅の前に到着して最初に驚いたのは、一軒家であったことです。 自分には身近に在日外国人の方がいないため、なんとなく「在日外国人は貧しい人が多い」というイメージを勝手ながら持っていました。
在日外国人や技能実習生に関する日本の制度は問題である、彼らは経済的に困窮している、という報道をよく耳にします。ですが、実際に在日外国人の方にお会いしてみると、意外にも日本人と同じくらいの生活水準で暮らしていました。分かってはいましたが、在日外国人は一人一人状況が違っていて、中には日本で生活を安定させている方もいるんだと改めて気づかされました。成功した方が実際に存在するということを実感できて、大変嬉しく思いました。
それでも、定住に成功するまでの道のりは決して簡単ではなかったと思います。最初に技能実習生として来日した際は、週5日8時間働いて、月収は6万円程だったそうです。寮生活で生活費を抑えれば、母国に仕送りもできて、当時は足りていたとあっけらかんとした様子でおっしゃっていましたが、6万円はあまりにも労働に見合っていないと思います。その後、横浜に移住して当会の理事長らの手を借りながら、横浜で職を探す、ビザを更新する、そして年金を欠かさず払い続けるなど、たくさんの苦労を乗り越えてこられたそうです。それでも私がお話しでお聞きできた苦労はほんのわずかなものだと思います。外国人が日本で暮らしていくうえでの圧倒的な支援不足が垣間見えました。また、当会の支援なしではこの定住は難しかっただろうと思いました。
では、なぜこのご家族が日本で定住に成功できたのか、がとても気になりました。そして、お話を聞く中で、その理由にはお二人の考え方が関係しているのではないかと思いました。
お話の中で印象的だったのは、「日本の文化を知っていないとトラブルになる。日本の文化を理解して、従っていれば何も問題は起きない」とおっしゃっていたことです。
訪問したお宅は、見たところ、住民のほとんどは日本人の一般的な住宅街であり、ご家族は実際に生活の中で様々なことに気を遣っていることが分かりました。
例えば、ゴミの分別は日本人に合わせているが、難しいとおっしゃっていました。そもそも横浜市のゴミ分別のルールは日本人でも理解するのは難しい部分もあり、さらに説明は全て日本語で書いてあるので、在日ミャンマー人にはとても難しいでしょう。
また、ミャンマー料理をお宅で作ると、独特な香りが換気扇を通して外に出て、近隣住民の迷惑になるから、ミャンマー料理を作るのは控えているとのことでした。そこまで気を遣っているのかと驚きましたし、異文化が共生する難しさを感じました。
日本人のことを理解しようと努めたうえで、徹底して日本人に合わせたからこそ、異文化を持つこの在日ミャンマー人家族が日本社会に馴染むことできているんだと知りました。
当会理事長は、このミャンマー人ご家族の日本人に対する姿勢について、当会で先輩の在日ミャンマー人の姿を見たことで、日本に合わせた方が自分たちに得だとわかっているからだとおっしゃっていました。
在日ミャンマー人の困難には、行政の煩雑な手続きなどの言語の壁だけでなく、文化の壁が大きくあるとわかりました。そして、文化の壁を乗り越えるには、当会が支援実績からアドバイスをすることが重要であると思いました。
今回のスタディーツアーを通して、在日ミャンマー人の暮らしの実態を知るとともに、当会の定住支援が果たす役割を知りました。在日ミャンマー人が日本社会でうまく暮らすためには、行政に足りない役割を当会のような団体が支援していく必要があると思います。
在日ミャンマー人が日本で生きていくためには、当会・そして当会へのご支援が欠かせません。
今後とも当会へのご支援を何卒よろしくお願いいたします。
井上