皆様こんにちは。
リンクトゥミャンマー事務局の押田です。
事務局として働かせていただくのも、あとわずかとなりました。
「年を重なるとやはり時間の流れが速く感じるなぁ」と過去を振り返りながら、しみじみ感じております。(まだ23歳ですが…苦笑)
さて、今回は「在日ミャンマー人の暮らしぶりはどんな感じ?」というタイトルの通り、日本に住んでいるミャンマー人の暮らしぶりを紹介させていただきたいと思います。先日、神奈川県横須賀市追浜に住んでいるミャンマー人男性のお宅に訪問したので、そこで見た暮らしぶり、Q&A、訪問を通じてスタッフが感じたことなどをブログで書かせていただきました。
スタッフのミャンマーに行った時の思い出についても書かれていますので、どうぞ最後までご覧ください。
追浜でミャンマーを思い出す
京急追浜駅から歩いて15分、閑静な住宅街の中に、立派な車庫がついた2階建ての一軒家が見えてきます。今回訪問する彼の家です。インターホンを押すと、元気なはつらつとした声で「今日はお願いします」と歓迎してくれました。
家の中に入ると、ミャンマー人の奥さんがにこやかな表情で私たちを迎えてくれました。そして、綺麗な玄関にきっちり並べられていたスリッパを履き、2階の一室に招き入れてくれた。部屋には52インチほどの大きな液晶テレビときらびやかな仏壇、そして、壁には額に入った2人の子供の写真が5枚ほど飾られて、お子さんへの愛を感じられました。
私たちのために椅子、さらには人数分以上の飲み物と洋菓子まで用意してくださいました。そこで思いがけなく、2020年2月ミャンマーに行った時の思い出がフラッシュバックしました。ミャンマーの学校、寺院、友人の家に訪問すると、食べられないほどの量のご飯やお菓子、フルーツで歓迎してくれて、自分は残さまいと無理をして食べていた記憶があります。(笑)
Kさんの日本略歴
さて、本題に戻りましょう。
ここでは彼の名前をKさんと呼ばせてください。日本滞在歴は約14年、年齢は40歳半ばです。日本語は流暢に話せるレベルで、ほとんどの質問に難なく答えていました。
日本に来て2年間、名古屋で技能実習生として溶接関係の仕事していましたが、それ以降は横浜の有名中華料理屋で12年間働いています。リンクトゥミャンマーにビザ申請などを支援してもら、5年前にミャンマーから奥さんを連れてきたようで、中学生のお子さん2人がいます。そして、つい最近リンクトゥミャンマーの支援のもと、現在住んでいる戸建てを購入し、大きい家に大変満足している様子でした。
質問タイム
Kさんの日本での暮らしについていくつか質問をしてみました。
Q,「日本の慣れない習慣はありますか?」
A,「ごみ捨てですね。今住んでいるところはごみの分別が厳しくて、大変です。日本に来たばかりの外国人は理解できないと思うので、先輩が教えてあげないとダメですね。」
Q,「日本に来たばっかりの時に困ったことは何ですか?」
A,「日本語ですね。日本人に英語を理解できる人はそんないないので、日本語分からない時、大変でした。病院に行った時、症状を英語で伝えようとしましたが、伝わらなかったので職場の先輩に通訳を頼みました。」
Q,「コロナで経済的なダメージはありましたか?」
A,「そんなになかったです。1回目の緊急事態宣言の時は、給料の60%出たので生活はできました。今も時短営業の影響で収入は減っていて、生活はできるけど、貯金はできないという感じですね。」
Q,「ミャンマーには定期的に帰るんですか?」
A,「コロナの前は3年に1回くらいミャンマー帰って、両親に会っていました。しかし、コロナに加えてクーデターが先日起きたので、当分は帰れませんね…」
以上の質問以外にも、日本料理や日本人の特徴など様々な質問をしました。好きな食べ物は、ラーメン、寿司、牛丼で、日本人の特徴に関しては、若い人は比較的話しやすくてフレンドリーですが、年齢層の高い人は話しにくい印象があるみたいです。
ラカインの麺料理と懐かしのラペットウ
話の流れで、ミャンマー料理の話になると、奥さんが気を利かせてくださり、急遽ミャンマー西部ラカイン州で有名な麺料理をふるまってくださいました。
名前は「ナンジ―トウッ」という、ゆでた日本のそうめんに油と調味料あえて、香ばしく炒めた玉ねぎを上にのせた汁なし麺でした。汁があるバージョンもあるようで、ラカイン州では多くの人に食べられているみたいです。
早速食べてみると、とても美味しかったです!絶妙な塩加減に香ばしく炒めた玉ねぎと一緒に食べるととんでもなく美味かったです!奥さんちぇに「アヤンカウンデー(とてもおいしい)」とミャンマー語で伝えると、満面の笑みで「ありがとうございました」と答えてくれました。
そして、お次はミャンマーのお茶葉サラダのラペットウが登場。久しぶりに食べて、またミャンマーを思い出してしまいました。相変わらず安定のうまさでした。
貴重な休日にも関わらず、私たちをもてなしてくださった彼らの優しさに感動しました。本当に私たちのわがままに付き合ってくださり本当にありがとうございました。今度は奥さん自慢のモヒンガーを食べに伺いたいと思います。(笑)
編集後記
今回の訪問を通して、改めてミャンマー人の親切心に感銘を受けましたし、自分の中にあった「外国人へのある種の偏見」に気づきました。
大変失礼で言うのもはばかる事ですが、正直、ほとんどの外国人は家を買うほどの十分な収入はなく、築年数の長いアパートに住んでいるという勝手な偏見を持っていました。なので、彼の家の前についたとき、正直驚いてしまったのです。
しかし、実際彼らの暮らしぶりを見たり聞いたりしていると、彼らは日本という異国の地で、文化の違いなどの困難を抱えながらも一生懸命に働き、日本人と何ら変わらない生活を送っていたのです。彼らの様に日本で働いて、日本の戸建てを買うほどの十分な収入を得ていない外国人、コロナの影響で職を失い生活が立ち行かなくなる外国人の方が多くいることも事実です。
しかし、「外国人」というフレームで彼らを同一化して、「外国人はかわいそうな人」という誠に勝手な偏見を持つのは、彼らに対して失礼ですし、改めるべきだと思いました。
「差別・偏見はダメ!」と指摘している人差し指は相手を指しています。一方、その時の中指は自分の方向を向いています。つまり、相手を指摘する前に、まず自分の考えやあり方を見つめなおすべきだということです。そんな様に自戒しながら、日本に住んでいるミャンマー人が安心して暮らせるよう、引き続き在日ミャンマー人の定住支援を行っていきたいです。
最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。