こんにちは。
リンクトゥミャンマーの事務局の押田です。
普段は相談支援に直接関わることはないのですが、先日、半年ぶりくらいに相談支援に関わる機会をいただきました。
久しぶりに相談支援を体験しててみて色々感じることがあったので、シェアしていきたいと思います。
今回相談に来たのは、40代のラカイン族の男性で、日本滞在歴約20年とのことで、日本語での日常会話は不自由なくできる印象を持ちました。相談の内容は銀行のインターネット決済サービスの申し込みを手伝ってほしいとのことでした。
自分自身、銀行のインターネット決済サービスは申し込みが面倒くさい印象があり、申し込んだことも使ったこともなので、相談支援を行う前に下調べをしてから今回の案件に臨みました。そして、彼の銀行口座情報に書いてある必要情報を記入しながら、申し込み手続きを進めていきました。
しかし、オンラインサービス利用に必要なお客様番号が記載してあるカードを紛失してしまったとのことで、お客様番号が分からず、オンラインサービス利用の申し込み完了まではできませんでした。なので、ひとまず紛失してしまったお客様番号の再発行を申請して、今回の支援は終わりました。1週間後にそのお客様番号が彼の自宅に郵送で届くとのことで、それが届いたら一緒に申し込みをするという形になりました。
相談支援を通じて感じたこと
●申請手続きが複雑
銀行のインターネット決済サービスの申し込み支援ということで申請作業のお手伝いをしましたが、申請手順の説明が日本人でも理解するのにかなり時間がかかるくらい、すごく複雑だなと感じましたし、これを外国人の人が自力でやるのは正直無理だなと感じました。申し込み手順も複雑ですし、説明の文章も漢字だらけで日本人でも読む気をなくしてしまいます。
利用者の安全性を維持するために仕組みを複雑にしなくてはならない、利用者によりきめ細かく説明しなければならない企業側の責任も理解できます。しかし、外国人でも理解できるような、イラストを交えた簡単な説明文や手続きプロセスの説明動画を作ってもいいのかなと感じました。
●他言語対応サービスの必要性
実のところ、英語にも対応していましたが、事実、日本にいるすべての外国人が英語を使えるわけではありません。今後加速していく人手不足に伴って、日本に来る外国人も増えていくことが予測される日本において、他言語に対応したカスタマーサービス拡充の必要性が企業で高まっていくのではないかと考えています。
SDGs(持続可能な開発目標)を推進している企業も日本で増えているので、今後多種多様な企業が他言語に対応したカスタマーサービスづくりに取り組むことを期待したいと思います。そして、こうした企業に一方的に対応を求めるのではなく、NPO団体や市民団体などが企業と連携・協力して、外国人が使いやすいサービスづくり・サービス改善に取り組めたらいいなと感じました。
以上、リンクトゥミャンマー事務局大学生の押田が相談支援を体験して感じたことでした。
今回の相談支援を体験してみて、日本人が当たりまえにできることでも外国人から見れば難しいし、日本人が複雑で面倒くさいと感じる行政手続きなどは、外国人にとってはもっと難しいし、理解不能の次元なのではないかと感じました。
サービス設計の段階で外国人でも簡単に理解・利用できるようにしていくべきだと思いました。そして、今後改善していくにしても、日本にいる外国人が生活するうえで不便を感じない程度の環境になるまでに何年もかかると思うので、リンクトゥミャンマーのような外国人の生活サポートをする市民組織の存在意義はとても大きいと感じました。
こうしてリンクトゥミャンマーの相談支援を通じて、日本に住む外国人の目線や多文化共生の側面で抱える日本が抱える社会課題をある程度知れた事、リンクトゥミャンマー重要性を改めて実感することが出来て良かったなと思います。
最後まで読んでいただきまして誠にありがとうございます。
今後もこうした相談内容の具体的な事例を紹介しながら、定住支援の中身を皆様にお知らせしていきたいと考えておりますので、ブログをチェックして頂ければ幸いです。
リンクトゥミャンマー事務局
押田